小説のポケット

異世界の魔物との死闘を描くファンタジー小説

シャルヴィス異世界戦記3-32【ブラックな世界】

「そういえば俺達の日本語もこちらの人に自動通訳みたいに伝わってるんだよな」
数人の村人がこちらをみている。
「そう思うなら自重してくれ」
お騒がせしてすみませんという感じで俺は周りの人に会釈して謝る
「なあ俺達相当こっちに来て強くなったよな」
甚平と俺は風呂に漬かりながら木製の天井を眺める。
「だけどこれは序の口でスタートラインなんだな」
俺の言葉を聞いて甚平が頭をかかえる。
「やめてくれ。俺にはばら色の人生しかないんだ!そんなブラックな世界は無い」
何かを吹っ切るかのように風呂の中から勢いよく立ち真っ裸のまま腰に手をあて胸を張る

シャルヴィス異世界戦記3-31【風呂の目印は緑と水色】

風呂に入りに行く途中本当に女風呂に行こうとしている甚平の首根っこを捕まえて男風呂に来た。
男の風呂には緑の布が筒にさされており目印になっていた。
対して女性は水色の布が筒にささっている。
日本では青が男なので一見間違えそうなものだが暖簾のようなものがあるわけではないので
間違って飛び込みはしそうにない。
「あーあ、彩那ちゃんの裸を今日こそ拝みたかったな~

細身だけど彩那って結構着やせするタイプなんだぜ。

あ、おまえならよく知ってるか」

不適な笑みを浮かべおどけている。
風呂の大浴場はかなり大きかった。風呂自体が村の中央にあり、殆どの人がここに来るため規模が大きい。
その大きな風呂に漬かって大声でぼやいている。
「おまえな・・・こんな大衆の面前でよくもそんなことを」
聞いている俺の方がはずかしい。

シャルヴィス異世界戦記3-30【女風呂を覗く相談】

「風呂早く行こうぜ、ついでに女風呂にも最後だしお邪魔して」
ぐへへと甚平が不適な笑いをする。
「おまえはいつでも甚平だな」
マイペースで周りに翻弄されにくい甚平がうらやましくもある。
反面、こいつは見習ってはいけないと思わされることがしばしば。
「なんだよ、俺のポリシーは自由奔放だぜ、人生は一度きり思いっきりやりたいことをやる。
その中で見つけた沢山の可能性にかけたいんだよ」
「風呂を覗くことになんの可能性があるんだ・・・」