小説のポケット

異世界の魔物との死闘を描くファンタジー小説

シャルヴィス異世界戦記4-1【ドランズの窮地】

所変わって城塞都市アリエジルから賊を追っていた

ドランズとアランダは窮地に立っていた。


南東に進むエストワールの森林地帯に賊が逃げ込んだとの情報を得て追撃していたのだが
森を少し進むだ追撃部隊は、四方より伏兵に会い隊は分断され賊を追うどころではなくなっていた。
敵は追っ手がかかることを想定してモンスターを森に伏せていたのである。
「アランダ、アランダはおるか」
馬上のドランズは斬りかかって来るゴブリンを長剣で真っ二つにしながら叫ぶ。
乱戦の中敵も味方も位置がわからなくなっていた。
「ドランズ隊長。私はここに」
リザードマン2匹に囲まれて奮戦しているアランダが少し離れた場所にいた。

アランダもなんとか馬上から落とされること無く踏ん張っている。
その声を聞いてドランズは声のする方に馬を突進さえる。
「アランダ、このままではらちがあかん。一度後退して後続と合流して軍を編成しなおせ」

シャルヴィス異世界戦記3-34【仲間の心強さ】

しかし俺達の力程度で世界を救えるんだろうか。
実感は全く無い。特別な力を行使できるように若干なったのだろうがそれでも
非力な状態にはかわりなく、本当の戦いはこれからなのだ。
唯一の救いはこのポジティブな甚平や大人しいながらもついて着てきてくれている彩那の存在かな。
俺独りだと頭がおかしくなってるかもしれない。

シャルヴィス異世界戦記3-33【パラディンの資質】


「最終試験が終ったということはいよいよ近隣のモンスターと実践経験を積むラインだな。」
風呂の中にある大岩に背中をあずけしみじみと言う。
俺達の実力がどこまで上がってるか、実践で使えるのか、武道家としては楽しみな部分もある


「隆治は剣道してるからな・・・おれはただの陸上部員だぞ。走るだけで武道の心得や心構えなんて
習ったことは無い。当然誰かとやりあうことも無い。
そう考えるだけでも俺がここに居るのはなにかの間違いだと思うわけで・・」
大岩に手を大きく広げて背中をあずけている甚平。
「何が言いたい」
このお調子者とデコピンを食らわせてやりたくなる衝動を抑えつつ聞く
「ようするに俺は特別に選ばれたパラディンだって事よ」
胸をどんと叩きあまりに勢いよく叩きすぎてむせている。
「おまえのそういう能天気な所は嫌いじゃないけどな。」