小説のポケット

異世界の魔物との死闘を描くファンタジー小説

シャルヴィス戦記4-7【エルフ族との交渉】

「我々もぐずぐずはしてはおれん。早くアランダにおいついてやつらを追わねばならん」
「あの・・・エルフ族に助力を求めるというのは・・」
少し間を置いて兵士が少し遠慮がちに言う。
「うむ、それができれば一番なのだろうが。ここのエルフは人間族を相当嫌っている。
自分達によっぽど関係のあることでなければ手は貸してくれまい。
かといって全く可能性がないわけではないな。
あの指揮官を口説ければなんとかなるやもしれん」
そう言って、わし独りで行くと言い残しエルフ指揮官に近寄っていく。

シャルヴィス異世界戦記4-6【高貴なエルフ族の指揮官】

「なんなですかねあの態度。いくら助けてもらったとはいえ、あれは無いんじゃないですか」
生き残った兵士の一人がドランズに小声で言う
「いや、エルフ族としてはまだ肝要なほうだろう。
もし俺達が敵だと認識されていたらあのモンスターと同じ末路になっている所だ。
あの指揮をしているエルフがかなり切れ者なのが判るな」
素早く指をさして全体に指示を出し続けているエルフはかなり名の通った人物なのだろう

シャルヴィス異世界戦記4-5【モンスターとの死闘の末】

あれだけ居たモンスターもあっさりと討ち取られ、生き残ったものは逃げ出していた。
ドランズは下馬してエルフの隊長らしき人物に近寄る。
「命拾いしました。礼をいう」
ドランズが頭を下げた。
非常に若く見えるリーダーらしき男のエルフは振り返った。
その井出達は軽装ながら威厳があり細かい細工の施された白銀のプレートを装備している。
顔は凛々しくまさに美男子と言える。

しかし、それでいて眼光鋭く周りに隙を見せていない。
「いや、お前達を助けたわけではない。我々の領地に下賎なものが入り込んだものを退治しただけだ
礼を言われるいわれはない」
そういうと、きびすを返す様に立ち去っていく。
ほかのエルフ達はモンスターの骸を土に手早く埋葬しだしている