小説のポケット

異世界の魔物との死闘を描くファンタジー小説

シャルヴィス異世界戦記12

「僕達も朝に怪物に襲われたんです。それで師匠が心配になって」
なるほどと俺達の格好をみて納得したようだ。
「やつらが来ないように封印を強化しないと行けない。
この頃向こうの魔力が強くなっているみたいでね。
先代から引き継がれた封印が弱くなっているんだ」


よく解らない事をいいながら竹刀を杖代わりに立つ
「師匠は、もしかして竹刀でやつらに勝ったんですか?」
竹刀以外に武器らしいものは部屋に見当たらない
「ん・・・厳密に言うと竹刀だけじゃないんだけど」
師匠は手にある竹刀に目を一瞬向けて。何か含んだ言い方をした。
俺達は師匠を起こすのを手伝って、言われるがままに外にでた。


土足で歩き回っていたのをみて苦笑していたが許してくれた。
「さてここからは非常に危ないんだが・・君達には付いてきてほしいと思っている。
まあ普通なら危ないのですぐ帰りなさいというのが当然なんだろうけど」
後頭部に片手をあてて申し訳なさそうにしている。

シャルヴィス異世界戦記11

「あっちだ」俺達はその声のした方に走る。
そこには膝を着いて傷だらけの師匠がいた。
戦った後だ。部屋の中は鉤爪(かぎづめ)のような爪の跡が無数についていた。
魔物の倒した跡らしい痕跡が2つあった。
「師匠大丈夫ですか」
気を失ったりはしていないが息が荒い
「あ・・ああなんとか大丈夫ですよ・・死ぬかと思いましたが。き・・きみたちは学校にもう行ったんじゃ
なかったのかい。当分は安全だと思っていたのだけど・・」
息もたえだえの師匠は体を起こそうとするがまた座り込んでしまった
師匠と呼ばれた男はまだ齢が20代前半に見える若さで今は神社の袴姿をしている。
丸い眼鏡をして身長が高く、長い髪をした優しそうな眼差しの男性。

一見華奢な印象を受けるが眼光からは力強さを感じる。

そんな感じだろうか。

シャルヴィス異世界戦記10

「いくぞ」俺は二人を促し鳥居をくぐった
くぐると同時に俺の体が蒼く光る。彩那も赤く鈍く光、甚平は黄色く光っている。

しかし一瞬ですぐに消えてしまった。
「何だよ今の」甚平が自分の体をあちこち触っている。
前にもどこかでみたような・・・
俺はあの光をどこかで見たことがあるようだったが思い出せなかった
気を引き締めて恐る恐る石段を登っていく。石段は180段ほどありそれなりに長いしきつい。
ここで体力を使っていざという時に動けないと困ると思いゆったりと警戒しながら登りきった
「まずは師匠の家に行って見よう」
下で見た時よりはっきりと上空に変なモヤのようなものが見える
「なんかやばそうですね旦那」今頃になって危険性をさらに感じとったのか甚平は金属バットを握りなおす
「師匠いますか」玄関をあけて大きく叫んで見た。
土足のまま上がるか迷ったが非常事態ということで脱ぐのを止めてゆっくりと奥の部屋へ


「ギ・・ギギャー」奥から何か変な動物のような断末魔の声が響き渡る