小説のポケット

異世界の魔物との死闘を描くファンタジー小説

シャルヴィス異世界戦記3

明らかに俺を獲物だと思ってやがる。だいたい人間の言葉を普通に使ってやがる・・

どうするせめて木刀さえあれば・・・先ほどの怪物の一撃で竹刀にかなりガタがきている。
おれはちらっと上座にかざられた木刀を見た。
あれを使うか、しかしこいつら隙が無い・・動いたら確実にやられるぞ。
とその時道場のゆいつの出入り口である扉がひらき朝日が入る。
入り口に三匹が気を取られた隙に上座へと走り素早く木刀を掴んで構えなおした。
しかし俺を無視して三匹は入り口を見てそちらのほうへ歩いて行っている。
ケッケケケと奇声を出しながら・・・そう入り口に立つ新たな獲物のほうへ・・まずい!
「彩那(あやな)逃げろ」俺がそう言うか言わないか1匹が襲いかかる
「キャー」叫ぶと同時に彩那の体の周りが赤く鈍く光り、彩那は竹刀にぶら下がっていた防具袋を大きく横に振り回して怪物を吹き飛ばした           星見 彩那
俺は倒れている怪物に素早く詰め寄り木刀を叩き込む
怪物は避ける事ができずまともに木刀を受けた
さすがに木刀による全力の一撃で怪物は息の根を止めた。こときれたすぐに灰のようになって何かを残し消えた。
「キィーよくも」逆上した二匹がターゲットを変え俺に飛び掛って来る。一匹を払い飛ばしもう一匹に面を食らわせる。頭に直撃して痙攣するようにして灰になった。
あと一匹ボスらしいひとまわり大きなパワーのあるやつだけだ。

シャルビス異世界戦記2

とっさに竹刀で叩き落す。
キィ、怪物は殴られてキイキイと叫んでのたうっている。
「キッキキやりやがったな」
今度は後ろの二匹が同時に飛び掛ってきた
1匹は上に大きく跳躍しもう一匹は地面をはうように低く飛び、ひざに噛み付きにかかる。
低く飛んでくるほうに俺は素早く詰め寄り横殴りに吹き飛ばす。
もう一匹が着地した場所より素早くこちらに飛び掛ってくる。
鋭い爪の斬撃を竹刀で受け止めたが大きく吹き飛ばされた。
「ケケケ、こいつなかなかやるぜアニキ」最初になぐった魔物、
それに横殴りした怪物が赤黒い血を垂らしながらアニキといった2匹より一回りほど大きな怪物の横にたち3匹がせせらわらっている。
なんなんだこいつら。だいたいどこからでてきた・・動物園で突然変異した猿か・・・いやこんな異形な姿になるわけがない。
だとしたらなんなんだ。

シャルヴィス異世界戦記1(プロローグ)

「なんだ・・・」俺はひたいから一筋の汗をたらし竹刀を強く握り直した。
とその時ドロドロと何かが吹き上がる音が道場に響く
「ケッケケ人間だぜ人間。うまそうだ・・・うまそうだな・・・」
畳の下が赤く光り魔方陣のような紋様を描いている。そこからジワリとゆっくりと何かがでてこようとしている。
顔は異様に歪(ゆが)んでいるが背の低い人間に近い・・・いや耳が長く目も大きい。
それにあの裂けた様な大きな口・・・赤黒な姿のそれはまさに怪物といえる




研ぎ澄まされた感覚がある今なら何かを掴める気がする。
朝の静かな澄んだ空気、晴れた澄み渡る空に小鳥のかすかな鳴き声が聞こえる


竹刀を振り上げ見えない相手を打つ。防具をつけた残像に一撃を加える感覚。これが俺の剣道の所作の形。
面(頭に付ける防具)意外の防具を身に付け竹刀を振り下ろす。
独り学校近くにある高台の神社道場で稽古にいそしむ。
県大会は近い!
そんな静寂(せいじゃく)な部屋だったはずの場所が急にざわざわしだした。
いや音ではない。何かが居る気配というべきか上、下、左右、どこからともなく奇声のような声が響きあらゆる方向から何かがくる感じがする


「なんだ・・・」俺はひたいから一筋の汗をたらし竹刀を強く握り直した。
とその時ドロドロと何かが吹き上がる音が道場に響く
「ケッケケ人間だぜ人間。うまそうだ・・・うまそうだな・・・」
畳の下が赤く光り魔方陣のような紋様を描いている。そこからジワリとゆっくりと何かがでてこようとしている。
顔は異様に歪(ゆが)んでいるが背の低い人間に近い・・・いや耳が長く目も大きいそれにあの口の大きさは・・・まさに怪物
「まてまて、兄じゃに一番おいしいところを残せよ。お前は食いいじがはるからな」
いつのまにか左後ろにもう一匹、さらに右後ろににも・・・
背は1mもない、しかし口は裂け妙に伸びた鋭い爪と牙、その異形な姿は見るだけで人間をぞっとさせるはずだ。
「おい人間。おまえだけしかここにはいねえのか」したなめずりしながら最初にでてきた前方にいる怪物がそういいながら近づいてくる
「おれは目玉だ」「俺は腹わたがいいな」後ろの二匹もシャアシャアと奇妙な音を立てながら近寄ってくる。
なんなんだ、こいつら妖怪・・魔物・・幽霊・・これは夢だ・・夢に違いない。
ほっぺたをつねろうとしたが籠手(こて)を付けていてつねることが出来ない。
そんな事を考えている間に凄いスピードで前方の怪物が飛び掛ってきた