小説のポケット

異世界の魔物との死闘を描くファンタジー小説

シャルヴィス異世界戦記9


自分の教室に戻り俺はおもむろに防具を装備する。
「俺独りで行く。二人はここに残っていてくれ。俺が戻らない場合は警察に連絡を頼む」
俺は小刻みに震えながらも、ぐっと握りこぶしを作っている。
「おいおい独りでなんて危ないだろ。また出たらどうするんだよ」
甚平がさも当たり前のように前に回りこむ。彩那も同じような事を言っている。
「危ないんだ・・・とにかくやつらは猛犬なんかの比じゃなく危ない」
魔物を見ていない甚平に危険性をできるだけ簡潔に話したが聞く耳をもたなかった。


「どうなっても知らないぞ」俺はとうとう折れ3人で行く事になった。
神社に近寄る前からもう臨戦態勢である。
甚平は野球部から借りてきたキャッチャーの一式に金属バットを装備している。
俺と彩那は近寄る前から剣道の武具を完全装備。
面も付けており彩那にいたっては違和感があるが竹刀を金属バットに変えている
竹刀では歯が立たないことは先刻の戦いでわかっていたらだ。
俺は木刀(硬い木で剣の形に加工したもの)を装備している。
神社の前までは少しだけ人とすれ違っただけで止められることはなかった。
神社の石段を登る鳥居の前に3人は立つ。
なにやら神社のあるあたりの上空に渦を巻いて紫色の煙が立ち込めているのが薄っすらと見えている。