小説のポケット

異世界の魔物との死闘を描くファンタジー小説

シャルヴィス異世界戦記1(プロローグ)

「なんだ・・・」俺はひたいから一筋の汗をたらし竹刀を強く握り直した。
とその時ドロドロと何かが吹き上がる音が道場に響く
「ケッケケ人間だぜ人間。うまそうだ・・・うまそうだな・・・」
畳の下が赤く光り魔方陣のような紋様を描いている。そこからジワリとゆっくりと何かがでてこようとしている。
顔は異様に歪(ゆが)んでいるが背の低い人間に近い・・・いや耳が長く目も大きい。
それにあの裂けた様な大きな口・・・赤黒な姿のそれはまさに怪物といえる




研ぎ澄まされた感覚がある今なら何かを掴める気がする。
朝の静かな澄んだ空気、晴れた澄み渡る空に小鳥のかすかな鳴き声が聞こえる


竹刀を振り上げ見えない相手を打つ。防具をつけた残像に一撃を加える感覚。これが俺の剣道の所作の形。
面(頭に付ける防具)意外の防具を身に付け竹刀を振り下ろす。
独り学校近くにある高台の神社道場で稽古にいそしむ。
県大会は近い!
そんな静寂(せいじゃく)な部屋だったはずの場所が急にざわざわしだした。
いや音ではない。何かが居る気配というべきか上、下、左右、どこからともなく奇声のような声が響きあらゆる方向から何かがくる感じがする


「なんだ・・・」俺はひたいから一筋の汗をたらし竹刀を強く握り直した。
とその時ドロドロと何かが吹き上がる音が道場に響く
「ケッケケ人間だぜ人間。うまそうだ・・・うまそうだな・・・」
畳の下が赤く光り魔方陣のような紋様を描いている。そこからジワリとゆっくりと何かがでてこようとしている。
顔は異様に歪(ゆが)んでいるが背の低い人間に近い・・・いや耳が長く目も大きいそれにあの口の大きさは・・・まさに怪物
「まてまて、兄じゃに一番おいしいところを残せよ。お前は食いいじがはるからな」
いつのまにか左後ろにもう一匹、さらに右後ろににも・・・
背は1mもない、しかし口は裂け妙に伸びた鋭い爪と牙、その異形な姿は見るだけで人間をぞっとさせるはずだ。
「おい人間。おまえだけしかここにはいねえのか」したなめずりしながら最初にでてきた前方にいる怪物がそういいながら近づいてくる
「おれは目玉だ」「俺は腹わたがいいな」後ろの二匹もシャアシャアと奇妙な音を立てながら近寄ってくる。
なんなんだ、こいつら妖怪・・魔物・・幽霊・・これは夢だ・・夢に違いない。
ほっぺたをつねろうとしたが籠手(こて)を付けていてつねることが出来ない。
そんな事を考えている間に凄いスピードで前方の怪物が飛び掛ってきた