小説のポケット

異世界の魔物との死闘を描くファンタジー小説

シャルヴィス異世界戦記3-33【パラディンの資質】


「最終試験が終ったということはいよいよ近隣のモンスターと実践経験を積むラインだな。」
風呂の中にある大岩に背中をあずけしみじみと言う。
俺達の実力がどこまで上がってるか、実践で使えるのか、武道家としては楽しみな部分もある


「隆治は剣道してるからな・・・おれはただの陸上部員だぞ。走るだけで武道の心得や心構えなんて
習ったことは無い。当然誰かとやりあうことも無い。
そう考えるだけでも俺がここに居るのはなにかの間違いだと思うわけで・・」
大岩に手を大きく広げて背中をあずけている甚平。
「何が言いたい」
このお調子者とデコピンを食らわせてやりたくなる衝動を抑えつつ聞く
「ようするに俺は特別に選ばれたパラディンだって事よ」
胸をどんと叩きあまりに勢いよく叩きすぎてむせている。
「おまえのそういう能天気な所は嫌いじゃないけどな。」