小説のポケット

異世界の魔物との死闘を描くファンタジー小説

シャルヴィス異世界戦記2-6敵軍の動向

「兵が足らんか」

城壁の一番上から指揮をするドランズ将軍が長く伸びた髭を触りながら言う。
「左右の城門を守る兵を中央に回すべきではないですか、幸い殆どの魔物は他の城門へは進んできていません。」
ドランズの後ろに控えていた若い女性将軍がいう。
「アランダ、今の状況をどうみる。

ただたんに敵が中央突破で城門を破ろうとしているようにみえるか」

真紅の甲冑を装備した女性将軍はアランダというらしい。
「はい、そのように見えますが」
「浅いな、アランダ。やつらの戦力はサラマンダーをいれてもこちらの5割程度。

あれだけの兵力では城門が破れたとしてもその後が続かん。
それなのに中央を通って他には目もくれずにここを攻撃してる」
「それはやつらが魔物であって、本能の赴くままにこちらを攻撃してきているだけでは」
「だからお前はいつも考えが浅いというのだ。やつらの最初からの動きをみるのだ。妙に統率されていると思わんか。
やつらはどこぞの指揮者に従って、何かの目的を達成させる為に動いていると考えるのが妥当だ。
こちらの戦力を見あやまってこの程度で攻めてきたという可能性もあるがそれは考えにくい。
ゆえに左右の城門の兵は動かせん。どちらかに奇襲があるかもしれんからな。」