小説のポケット

異世界の魔物との死闘を描くファンタジー小説

シャルヴィス異世界戦記2-2


「ん?・・・なんだあれはえらく土煙が上がっているな・・・あれは・・・ま・・まずいぞ。大変だ!」
第一城壁を警備する兵士が双眼鏡を片手に叫んだ
「どうした」物見以外の警備兵がやってくる
兵士は顔蒼くしてわなわなするばかりですぐに返事をしない。
「何をみたというのだ、貸せ」
上司らしい兵士が双眼鏡を奪い取った
「なんだあれは・・・土煙のなかに・・あれは魔物の群れじゃないか」
まずいと叫んだかと思うと急いで警報ベルを打ち鳴らしに走る。
緊急を知らせる青銅でできた鐘による打音が鳴り響く
城壁内、城壁外、がやがやと騒然となってきた。
何があったのかと騒ぎ出しているがすぐにはパニックは起きない。
兵士が壁の外、内両方に走り出し緊急の伝令が騎馬とともに要所へ駆ける。
事態を敏感に察したものから次々と城壁内部へ通じる検問所の3つの城門へ流れ込む。
通常は入念に検査が行われる3箇所の検問所だが緊急事態の為に簡易検査しか行っていない。
通行手形がないものは通常入れないのだが今は兵士の誘導に従い城門をの中に入っていく。